No.58 (清の文化)  : 

「清代の大編纂事業とその狙いとは何か?」

清代には4代康煕帝による百科全書の『古今図書集成』・漢字字典の『康熙
字典』,6代乾隆帝による古今の図書を分類・編集した『四庫全書』が編纂
された。後者はこの編纂事業と同時に焚書も実施していて,反満・反清思想
の取り締まりの性格も強い。また,漢人学者を反政府活動から遠ざけるため
学問に熱中させておくという狙いもあったと言える。


<評価の観点>
関心・意欲・態度:
特に乾隆帝による『四庫全書』の編纂が,思想統制や焚書を目的とした側面があっ
たことについて,大きな関心を持ちながら学習に取り組んでいる。


思考・判断:
康煕・雍正・乾隆時代の大規模な編纂事業が,漢人学者を学問に熱中させておくこ
とにより,清朝に対する批判精神を弱めるという目的もあって実施されたことにつ
いて考察している。


資料活用の技能・表現:
ワープロの漢字変換の基準にもなっている『康煕字典』を,実際に手に取って読ん
でみることにより,その歴史的な意義を実感している。


知識・理解:
清代の大編纂事業が,漢人学者を反政府活動から遠ざけるという目的のために行わ
れた側面があることについて,基本的な知識を身につけている。